シートパッド事業における
構造改革の推進
プロジェクト概要 OVERVIEW
- プロジェクト名
- グローバルCEO直下プロジェクト:シートパッド事業における成長基盤の構築と企業価値の創造
- プロジェクト期間
- 2022年~2024年
- プロジェクトの背景
- 当社の前身となる株式会社ブリヂストンの化成品ソリューション時代より、当社のシートパッド事業には、中長期的な成長を見据えた事業基盤の再構築が必要とされていました。2022年、新会社として独立したことを契機に、ウレタン専業メーカーとしての持続可能な事業運営サイクルへの高次化を目指し、抜本的な構造改革を実施しました。
プロジェクトメンバー MEMBER
国内シートパッド
事業管理 課長
(ブリヂストンより転籍)
新卒として入社以来、一貫してシート事業に携わり、販売、海外拠点立ち上げ、拠点再編等を経験しました。育児と両立しながら課長へと昇進し、現在はこれまでの知見を活かして国内事業全体の業績管理を担当しています。
主材調達 課長
(ブリヂストンより転籍)
これまでのメインキャリアは開発で、ウレタンフォームの配合設計、新規原材料の評価などを担当してきました。現部署に異動後はサプライヤーとの価格交渉、原価改善業務などを担当し、現在は課長を務めています。
国内シートパッド製造 統括
(ブリヂストンより転籍)
入社後、材料開発担当としてキャリアをスタートしました。その後は国内の工場をはじめ、アメリカ、中国、メキシコと、世界各地で製造技術を身に着けながら海外拠点の責任者を務めました。現在は本社にて、国内シートパッド事業の製造オペレーションを統括しています。
シートパッド販売 部長
(ブリヂストンより転籍)
入社から現在に至るまで、販売一筋でキャリア形成をしてきました。本社、および名古屋支店で担当として経験を積み、中国 広州への赴任や広島支店での課長経験を経て、2022年8月のアーケム設立からはシートパッド事業の販売部長を務めています。
プロジェクトの流れ JOB ROTATION
本テーマは、グローバルCEOの直下プロジェクトとして発足し、アーケムグループの代表的な事業であるシートパッド事業の成長基盤の構築を通じて、企業としての価値創出を実現した事例です。以下では、事業管理部門を起点とした、各機能部署での具体的な改善施策とその裏側についてご紹介します。
PHASE 01 成長基盤構築の「原点」となる仕組みづくり
~事業管理部による「月次業績モニタリング」の導入~
当社では従来、実績に基づく業績管理を行っていましたが、2022年の会社独立を機に、「一歩先を読む」仕組みへの転換を目指し、月次業績モニタリングの仕組みを導入しました。これは、3ヶ月先までの業績見込みを毎月作成し、想定される変化や課題に対し、先回りして対策を講じるというものです。今回、社長直下のプロジェクトということもあり、当時かなりのスピード感を求められましたが、この取り組みを通じて社内の売上や原価といった数値情報の一元化に成功し、事業全体の収益構造の透明化と、収益改善の加速につながりました。これらの取り組みは、当初国内で試験的に運用された後、その効果と実績を踏まえ、現在では海外へも幅広く横展開しており、アーケムグローバルとして価値を創造した好事例となっています。以下では、事業管理による旗振りのもとで、各機能部署が具体的に実践してきた取り組みについて紹介していきます。
PHASE 02 各機能部署での具体的な取り組み
[ 開発 ]
モノづくり体制の再構築
新会社アーケムとなり、組織がコンパクトになったことを機に、従来のマンパワーに頼る課題解決から、開発と製造が上流工程から密接に連携する「フロントローディング体制※」へと大きくシフトしました。これにより、試作段階から技術的課題を徹底的に洗い出し、解消しきる体制を構築するとともに、お客様にも早い段階から試作を連携することで、前の工程に戻ってのやり直しの最小化とトータルコストの抑制を実現し、量産移行時のスムーズな立ち上げと組織としての生産性向上を両立させることができました。
※フロントローディング体制:プロジェクトの初期段階(今回の事例の場合の開発・試作段階)において、想定される課題の検討を前倒しして行い、後戻りやトータルコストを抑制する手法。
[ 製造 ]
製造工程の最適化
量産以降の製造工程においては、「不適合を発生させない仕組みづくり」を徹底しました。管理者自ら製造現場に入り込み、現場スタッフの目線で無理のない高精度な作業環境を整えることに注力。動線を考慮したレイアウト変更や工程間の検査ルールの刷新、適切な要員配置など、現場のストレス要因を徹底的に排除しました。こうした「現場第一」の環境整備により、作業者が迷いなく業務に集中できる、強固な製造基盤を確立しつつあります。
[ 販売 ]
お客様とのパートナーシップ強化
アーケムは会社独立を機に「ウレタン専業メーカー」へ転身したことで、原材料費や製造コストの変動をダイレクトに捉えられるようになりました。これによって、当社として確実な供給体制を維持するための適正な価格設定について、具体的な根拠に基づいた透明性の高い情報を、お客様へ提供しています。当初、情報の精査などに苦労したこともありましたが、結果的にお客様との相互理解を深めることにも繋がり、強いパートナーシップ関係を実現できていると感じています。
[ 調達・購買 ]
BCP(事業継続計画)※に基づいた購買力向上
BCP※の観点から、原材料の購入を特定の供給網に依存しない「複数購買体制」への移行を推進しました。品質・供給能力・コストを考慮し、適正かつより有利な取引を通じて都度最適な調達先を選定することで、事業全体へ貢献しています。この取り組みにあたっては、複数の原材料を貯蔵するためのタンクを追加で工場に設置してもらうなど、部署や会社の垣根を越えた協業が必要でしたが、関係者一丸となって受け入れ態勢を構築することができました。これによって、有事の際にも安定して製造ができる購買体制を整えることができましたと感じています。
※BCP:緊急事態が発生した際において、損害を最小限に抑え、中心的な事業を早期に復旧・継続するための計画
PHASE 03 変革のその先
事業管理部による業績モニタリングを起因とした、各機能部署の抜本的な構造改革と迅速なアクションとが実を結び、当社のシートパッド事業は、新会社アーケムの中心的な事業として、頑健な成長基盤を構築することができました。本プロジェクトは、グローバルCEO直下かつ2年という短期間での完遂が求められ、非常に困難な道のりでしたが、アーケムグループに関わる全ての関係者の根気強い取り組みによって、組織の抜本的な改革を実現させることができました。まさに新会社アーケムとして、その結束力を十分に発揮した事例だと考えています。
このような事業基盤の再構築を経て、現在、当社はさらなる飛躍を目指す成長フェーズへとシフトしています。これからも、各機能部署が密接に連携し合いながら「ワン・アーケム」として、新たな価値創造に邁進してまいります。
プロジェクトメンバーから就活生へのメッセージ MESSAGE
当社には、部門の垣根を越えチームワークで高い目標に挑戦するという前向きな社風があります。私が所属する調達の部署では、アメリカ、中国、東南アジアといった海外拠点とも連携し、グローバルネットワークを活かした、高品質で競争力のあるサプライヤー選定を行っています。単なる選定で終わるのではなく、お客様に喜んでいただけるウレタンフォームの量産化に向けて、開発・製造・販売と一体となり、メンバーの専門性を活かしながらプロジェクトを進めていけることが一番の醍醐味です。
アーケムのシートパッド事業は、国内3拠点・海外6拠点を構え、世界中に活躍のフィールドが広がっています。 私自身、度重なる海外赴任を通じて、技術やビジネスのスキルだけでなく、国境を越えた多くの仲間と出会い、その場所に行った者にしか見ることができない、「最高の景色」をたくさん見てきました。アーケムには、自ら手を挙げれば世界を舞台に挑戦できる環境があります。ぜひ、私たちと一緒に世界を体感し、新しい価値を創造していきましょう。
2022年にアーケムとして新たな一歩を踏み出した私たちは、現在もまだまだ新鮮な気持ちで日々の業務に取り組んでいます。「会社の未来や自分の将来は私たち次第」という強い意志のもと、部署内のみならず部署間においても、強い団結力と連携を築いてきました。今回の活動も、まさにそんな環境を背景に一丸となって「より速く、より高い目標」へ挑戦した結果であり、大きなやりがいとともにアーケムの強さや勢いを実感しています。市場環境の変動の激しい昨今ですが、様々な困難を乗り越えることのできる強さ、スピード感、そして連帯感を備えたアーケムは、まさに「変化に強い会社」です。

ブリヂストンからのカーブアウトという激動期、私たちは先の見えない不安を、自らの手で未来を切り拓くエネルギーへと変えてきました。国内ビジネスの再構築に挑む中で実感したのは、アーケムには困難な状況でも前向きに未来を描ける仲間が揃っているということです。私自身、そんな彼らを尊敬し、日々大きな刺激を受けています。変化の激しい現代、ビジネスとして生き残り、成長し続けることは決して容易ではありません。だからこそ、ただ漠然と仕事をするのではなく、「成長し続けるために何が必要か」を常に考え、主体的に行動できる方と一緒に働きたいと願っています。私たちとともに、新しいアーケムの歴史を創っていきましょう。